Amazonにおける本の紹介
データ×AI領域のキャリア設計を徹底解説!自分に合った道筋と戦略がわかる
ビッグデータや人工知能の活用が本格化されつつある現代、データ×AIの領域で活躍できる人材が、様々な業界で求められています。
本書は、そんなデータ×AI人材への就職・転職を目指す方に向けて、職種やプロジェクトごとの具体的な仕事内容、求められるスキルなどを、網羅的に解説した書籍です。
【本書で扱う職種】・データサイエンティスト・データエンジニア・機械学習エンジニア・データアナリスト・BIエンジニア
【本書で扱うプロジェクト】・機械学習システム構築プロジェクト・データ分析プロジェクト・データ可視化・BI構築プロジェクト
本書を読めば、ファーストキャリアを獲得するために取るべきアクション、自分の市場価値を高めてキャリアアップするための戦略がわかります。
これからデータ×AI領域で活躍したい方、どのようなキャリアを描いていけばいいのか知りたい方にお薦めの一冊です。
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感想
この本、めちゃくちゃよかったです…!2023年ベストかもしれない。
これからのキャリアどうしていこうかな?どんなふうに自分のスキルを高めていったらいいのかな?と考えていたところに、「キャリア大全」というタイトルに惹かれて読んだのですが、これはキャリア大全にとどまらず、「データ×AIプロジェクトのすすめかた」「AI人材に求められるスキルとは」「就職や転職に役立つポートフォリオの作り方」そして「10年後を見据えたキャリア戦略」まで、データサイエンティストのみならずAIビジネスをする人みんなに役立つ情報が盛りだくさんでした。
筆者はデータ分析のコンサル&データ分析の教育事業を行う「株式会社データラーニング」のCAOの方です(村上智之(みどり)) 。データ分析人材コミュニティ「データラーニングギルド」と、エンジニアからのキャリアチェンジに特化したデータサイエンス講座「データラーニングスクール」も運営されています。
コンサルと教育の両方に精通されているだけあって、本書に書かれていることはかなり具体的です。
3~6章は、「機械学習システム構築プロジェクト」「データ分析プロジェクト」「データ可視化・BI構築プロジェクト」の3種類の主要なプロジェクトタイプについて、プロジェクトの進め方や必要な人材と求められるスキル、要求されるアウトプットなどが整理されています。
ここは実際にプロジェクトに参画する前に読むと、仕事の進め方が見通せるようになるので良さそうだなと思いました。
また、8章では就職や転職に役にたつポートフォリオの書き方について、実例を交えて詳しく説明してあります。リンクが記載されていて、ポートフォリオ例を見ることもできます。
そしてなんといってもこの本の白眉は、7章「データ×AI人材になるためのロードマップ」と10章「10年後を見据えたキャリア戦略」です。
これからデータサイエンティストを目指す人はもちろん、よりスキルを高めて業界で生き残っていくために必要なことが具体的に書かれていました。「単純にライブラリを使えるだけの人はいらなくなる」というのはまさしくその通りだと思ったので、自分の強みを探して伸ばしていかないといけないなあ…
必要とされるスキルや、そのスキルをどうやって身につけたらいいかについても詳しく書かれています。勉強するのにおすすめの書籍の紹介もあります。
何もわからないところから始めて、データサイエンティストになるために必要な勉強時間について、本書では
私がスクールで受講生に教える際には、学習時間の目安として理系出身の方やエンジニア出身の方であれば 500時間 ~ 1, 000時間程度、文系出身の方の場合で 1, 000時間 ~ 2, 000時間程度の学習時間を確保することを推奨しています。(中略) 1, 000時間という学習時間は、 1日 1時間かければ 3年程度、 1日 3時間かければ 1年で達成可能な現実的な時間です。
と書かれていました。1000時間ならなんだかできそうな気がしてくる!
以下に本書の概要を記載しますが、要約では本書のいいところは全然説明できていないので(著作権の問題があるので…)、ちょっとでも気になった方はぜひ購入して読んでみてください。
転職を考えていない人でも、データサイエンス領域でスキルアップしたいと考えている人は全員読むべき!
読んですごく良かった〜!この本はなんども読み返すことになる気がします。
概要
第1章 データ×AIによる社会の変革
データとAIの進化が社会にもたらす変革に焦点を当てています。データ×AIが第四次産業革命の主役として、さまざまな業界での変化を推進していることが説明されています。具体的には、金融や保険、Web業界でのデータ×AIの活用事例が紹介され、デバイスの進化やエコシステムの普及が普及の要因として挙げられています。また、Pythonエコシステムの重要性や、政府による「AI戦略 2021」のような取り組みも詳細に説明されています。この章は、データ×AIの社会的な影響とその進化の要因に深く洞察を提供します。
第2章 データ×AIの活用に関する基礎知識
この章では、データとAIの活用方法とその基礎知識に焦点を当てています。データ×AI活用が機械学習による自動化、データに基づくインサイトの発見、データに基づく経営判断の3つのカテゴリに分類され、それぞれのアプローチが詳述されています。データの蓄積・処理環境としてデータレイク、DWH、データマートの3層構造や、クラウドサービスの活用、機械学習モデルとAPIの連携、アーキテクチャ設計の重要性も強調されています。この章は、データとAIの実用的な活用方法とその技術的な背景を理解するのに役立ちます。
第3章 データ×AIプロジェクトの種類と概要
この章では、データ×AI活用プロジェクトの代表的な3種類について詳しく解説しています。機械学習システム構築プロジェクトは効率化と業務自動化を目指し、プロトタイプ作成から実務への適用を目指します。データ分析プロジェクトでは、データの集計や可視化を通じてビジネス改善のアクションを提案し、データ可視化・BI構築プロジェクトは、BIツールを使用してダッシュボードやビジュアライゼーションの仕組みを構築します。この章は、各プロジェクトの特性と役割、進め方についての包括的な概観を提供します。
第4章 機械学習システム構築プロジェクト
機械学習システム開発の特徴とそのプロセスについて詳述されています。機械学習プロジェクトの曖昧性や成功・失敗の基準設定、プロジェクト概要書の作成、データの取得と連携設計、アーキテクチャ図の作成、機械学習モデルの構築と評価、分析レポートの作成など、開発の各段階が細かく説明されています。この章は、機械学習システム開発の具体的なステップとその複雑さを理解するのに役立ちます。
第5章 データ分析プロジェクト
データ分析プロジェクトの立ち上げと進行に関する要点がまとめられています。分析デザインの重要性、プロジェクト関係者の確定、分析設計書の作成、データ取得、データ定義書の作成、基礎分析のフェーズ、モデリングのフェーズ、施策展開のフェーズ、効果検証のフェーズなど、分析プロジェクトの全体的な流れが解説されています。この章は、データ分析プロジェクトを進める上での詳細なガイドラインを提供します。
第6章 データ可視化・BI構築プロジェクト
データ可視化とBIツール構築プロジェクトの立ち上げと進行に関する要点が説明されています。組織構築、プロジェクト立ち上げ、チーム構成、BIツールの選定、プロジェクト計画書の作成、基礎分析とダッシュボード設計、DWH構築、ダッシュボード構築、レビューと検算、展開と運用など、BIツールを効果的に活用し、データ駆動型の意思決定を支援する体制を構築するプロセスが詳述されています。この章は、データ可視化とBIツール構築の実践的なステップを理解するのに役立ちます。
第7章 データ×AI人材になるためのロードマップ
データとAI分野でキャリアを築くためのロードマップが提示されています。未経験者が統計学、機械学習、プログラミングなどの基本スキルを習得し、実務経験を積むことの重要性が強調されています。具体的な分析プロジェクトやコンペティションへの参加が推奨されており、転職時には専門性を持った分野で差別化を図ることが重要とされています。この章では、実務経験の積み重ねとポートフォリオの作成が、データ×AI分野でのキャリア獲得に不可欠であることが説明されています。
第8章 データ×AI人材としての転職を決めるポートフォリオ(概要編)
データ×AI人材としての転職において重要なポートフォリオの役割と作成方法が解説されています。ポートフォリオは、個人のスキルや経験、成長過程を示すための重要なツールであり、転職市場での差別化とスキルの証明に役立ちます。実務に近い分析の成果や経験を反映させることが重要で、機械学習モデルやWebサービス、ダッシュボードなどの成果物が含まれます。ポートフォリオ作成では、成果物だけでなく、プロセスやコミュニケーションスキルも重要とされています。
第9章 データ×AI人材としての転職を決めるポートフォリオ(作成編)
機械学習のポートフォリオ作成に関する具体的なアドバイスが提供されています。テーマの選定、データ取得からモデル構築、評価までのプロセス、技術の選定、モデルの解説と検証、WebAPIの開発、ダッシュボードの構築、データパイプラインの構築、分析レポートの作成などが詳述されています。ポートフォリオは、技術的な多様性とアプローチの基礎分析を示すために重要で、再現性と質の高い成果物を提供することが求められます。
第10章 10年後を見据えたキャリア設計
データ×AI分野での長期的なキャリア設計について解説しています。急速に進化する技術環境に適応しながら、長期的なキャリアビジョンを持ち、短期・中期・長期の目標を設定してキャリアを進める必要性が強調されています。将来性の高い技術の早期習得、市場のトレンドを意識したスキルの習得、現在の職場環境や業界動向の考慮、そして不確実な未来への柔軟な対応がキャリア成功の鍵とされています。キャリアの成功は、学び続ける姿勢とプロアクティブな行動から生まれるとされています。
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