アイキャッチ
「本が沢山積まれている机で勉強を頑張っている白黒タキシード猫 水彩画風」
とDALL-Eにお願いしたところ、次のようなプロンプトが提示されました。
A black and white tuxedo cat diligently studying at a desk piled high with many books, rendered in a watercolor style. The cat, appearing focused and serious, sits on a chair with its paws on the desk, gazing at an open book. The desk is cluttered with books stacked in various heights, some open, some closed, creating a colorful and chaotic study environment. The watercolor effect adds a soft, dreamy quality to the scene, with blurred edges and washes of color suggesting the texture of the paper and the warmth of the room. Light from a nearby window casts gentle shadows, enhancing the tranquil and studious atmosphere.”
このプロンプトで画像を生成してもらい、その後Canvaで文字を入れました。
Amazonにおける本の紹介
脳は使い方次第! 「記憶力」× 「超効率化」× 「時短」の勉強法
309万回以上再生されているYouTubeの大人気動画「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を書籍化。
私たちが今まで慣れ親しんだ、繰り返し読む(再読)、ノートに書き写す・まとめる、ハイライトや下線を引く、
といった学習法は、実は身につきにくいやり方だった。
覚えたことを思い出す、人に教えられる=アウトプットこそが成長につながる、
研究によって検証された効率的な勉強法です。
amazon.co.jp
感想
Microsoftの牛尾剛さんが激賞されていたので早速読んでみました。
昔から勉強法の本を読むのが好きで、いろいろ読んできましたが、本書は「勉強法の本の決定版」だと思いました。
エンジニア向けの勉強法の書籍としては、以前書評を書いた『世界一流エンジニアの思考法』(牛尾さんの本です)、『プログラマー脳 ~優れたプログラマーになるための認知科学に基づくアプローチ』も大変素晴らしかったです。本書は、より一般的に、勉強する人にむけて有効なことが書かれていました。
本書では、科学的に有効でない勉強方法として、情報を複数回読む、ハイライトを引く、ノートまとめをする、といったことが挙げられていて、あれ、わたし全部やってるぞ…
これらの勉強方法は、「受動的な学習法」であり、情報の深い理解や長期記憶への定着にはあまり効果がないということです。
じゃあどうするのがいいの?というと、「分散学習とアクティブリコールを組み合わせた連続的再学習」がベストということです。
分散学習は、学習セッションを時間を置いて複数回に分けることで、長期的な記憶に効果があります。また、アクティブリコールは、学習した内容を積極的に思い出すプロセスを通じて、記憶の引き出し能力を強化することです。
つまり、「覚えたいことを、時間をおいて何度も繰り返し思い出す」ことで、長期的に記憶できるということですね!
「連続的再学習」を実践するためにはどうしたらいいか?なのですが、以前もちょっとご紹介した「Anki」アプリが良さそうです(使い方はこの記事がわかりやすかったです【すべての勉強する人たちへ】最強の暗記アプリAnkiについてご紹介します)。
Ankiアプリはユーザーが作成したフラッシュカードを適切な間隔で繰り返し表示してくれます。これによって効率的に暗記できるみたいですね〜
ただ、やってみるとわかるのですが、これがすごくしんどい!
頭を働かせて思い出すことが重要なのですが、すごくつかれます。また、短期間で覚えている実感を得にくいようで、もうやめたい〜となって、わたしは結局続けられていません…
でも効果的だということが改めてわかったので、やらないといけないなと思っています。
あと、しんどい要素としては「カードを作るのが大変」というのがあります(もちろんAnkiにはcsvのインポート機能などがありますが…)。単語カードを作ったことがある方はおわかりかと思うのですが、作るだけで大変で覚えるところまで行き着かないんですよね…
LLMを使うとここの効率化ができそうな気がするので、うまくいったらまたブログで報告したいと思います。
そういえば、本書では「継続」という観点の記述が少なかった気がしました。おそらく著者の人は頑張らなくても勉強続けられるタイプの人なんじゃないかな?わたしはナマケモノなので、すぐ三日坊主になります…
効果的な勉強方法を知ったうえで、それを継続するにはどうしたらいいかちょっと考えてみました。
- 小さなタスクに分割して、細かく達成する:達成可能な小さな目標を設定して、それを達成することでモチベーションを維持する。
- 進捗を記録する:勉強の進捗を記録し、自分が成長している証拠を可視化することで、モチベーションを保つ。
- 仲間と共に学ぶ:勉強仲間を作ることで、互いに励まし合い、学習の継続性を保つ。
「みんチャレ」のように、一緒に頑張る仲間を探せるアプリもありますし、SNSで勉強友達を作るのもいいかもしれませんね。
タスク管理はいろいろ試したのですが、最近は「Notionカレンダー」を使っています。Notionカレンダーは多機能メモアプリNotionのデータベース(表みたいなもの)を予定のようにカレンダーに表示させることができます。
todoリストややりたいことリストをNotionで作っておいて、いつやるか決まったら日時を指定してNotionカレンダーで表示する、ということができます(相互に編集もできます)。
リストのタイトルに「★」を入れておいて、完了したら★マークを消すことで終わったかどうかがわかるようにしています。また、予定を借りで入れておいて、完了したら実際にタスクに取り組んでいた時間に変更することにしています。
こうすることで、予定とやったことが同じアプリで管理できるのでなかなかいい感じです。
勉強時間をカウントするアプリはいろいろあるので、そういうのを利用してもいいかもしれませんね〜
あと、睡眠や運動も学習効果を高める重要な要素であるという記述がありました。そうなんですよね〜睡眠はともかく、運動もとても大事なのはわかっております…
実は、最近、立ってパソコン仕事もできるようにデスク環境を整えたんです。立って作業 + 時々足踏みで運動になってないかしら…
ずっと立ちっぱなしはさすがにしんどいので、時々座りますが(座って作業できるようにもしてある)、気分も切り替わるしとても集中できるので、スタンディングおすすめです(デスク環境についてはいつかブログ書くかも)。
いろいろわたし個人の話も書きましたが、本書の結論は、「学習した情報を定期的に繰り返し復習し、知識を思い出そうとすることが最も効率が良い学習法(連続的再学習)」ということでした。Ankiアプリはこの方法をもとに作られたアプリなので、みなさんもぜひ試してみてください。
本書を読んで、勉強頑張らないとな〜という気持ちを新たにしました。やるぞ!
概要
CHAPTER1 科学的に効果が高くない勉強法
1-1 科学的に効果が高くない勉強法1 繰り返し読む(再読)
繰り返し読む(再読)は、多くの学生にとって一般的な勉強法ですが、科学的には長期的な学習効果が低いことが示されています。短期的にはある程度の効果が見られるものの、統計的に有意な差がなく、特に長期記憶の形成には効果的ではありません。再読する際の流暢性の錯覚が、実際の理解や記憶とは異なる自信を生み出し、これが効果を低下させる原因の一つです。ダンロスキーらの報告書によると、再読の有用性は低く評価されており、他の効果的な学習法と比較しても劣っているとされています。
1-2 科学的に効果が高くない勉強法2 ノートに書き写す・まとめる
教科書や参考書の内容をノートに書き写すまたはまとめる勉強法は、多くの人が行っているものの、科学的には学習効果が高くないことが示されています。実際に内容を書き写す行為は、深い情報処理が行われず、学習効果が低いと考えられます。一方で、自分の言葉で要約したりパラフレーズしたりすることにはある程度の学習効果がありますが、要約の質や能力には個人差が大きいとされています。ダンロスキーらの報告書では、要約の有用性は低いと評価されており、多くの学習者にとって効果的な要約をするためには特別な訓練が必要であるとしています。ノートを取る行為自体には限定的な効果があるものの、より効果的な勉強法と比較すると劣ると報告されています。
1-3 科学的に効果が高くない勉強法3 ハイライトや下線を引く
ハイライトや下線を引く勉強法は、勉強した感覚を与えるものの、科学的には効果が低いことが研究によって示されています。アメリカの大学生を対象にした研究では、ハイライトする、しない、または他人がハイライトしたものを読むグループ間でテストの成績に差がないことがわかりました。一部の研究では、下線を引いた学生が推論問題で低い点数を得たことから、ハイライトや下線が全体の理解を妨げる可能性も指摘されています。ダンロスキーらの報告書では、ハイライトや下線引きの有用性は低いと評価されており、特定の条件下では役立つ可能性があるものの、一般的には他の学習法を試すべきであるとされています。
1-4 科学的に効果が高くない勉強法4 好みの学習スタイルに合わせる
好みの学習スタイルに合わせて勉強する方法は、多くの人が効果的だと考えがちですが、科学的根拠は限られています。著名な認知心理学者たちによる「学習スタイル:概念と科学的根拠」の論文では、学習スタイルに基づいた学習が必ずしも効率的ではないと報告されています。例えば、視覚型や言語型などの異なる学習スタイルを持つ学習者がそれぞれのスタイルに合わせた学習をしても、学習成果に有意な差は見られませんでした。このことから、自分の好みの学習スタイルに固執するよりも、さまざまな勉強法を柔軟に試すことが推奨されます。実際には、自分が好む学習スタイルでは感じられない効果が、他の方法で得られることもあります。
CHPATER2 科学的に効果が高い勉強法
2-1 科学的に効果が高い勉強法1 アクティブリコール
アクティブリコールは、学習した内容を能動的に記憶から引き出すことであり、科学的に効果が高い勉強法の一つです。この方法は、情報を長期記憶に定着させるテスト効果を利用しており、単純な読み返しよりも記憶の定着に効果的です。研究では、アクティブリコールを行った学生が、ただ読んだり複数回読み返したりする学生よりも長期的に内容をより良く記憶していることが示されています。この勉強法は、様々な教材や年齢、試験形式においてその効果が確認されており、学習者にとって最小限の訓練で実施可能であると評価されています。アクティブリコールを効果的に行うには、ヒントが少ない状態で記憶から情報を引き出すことが推奨されます。
2-2 科学的に効果が高い勉強法2 分散学習
分散学習は、一度にまとめて勉強する集中学習と対照的に、時間をあけて繰り返し学習することであり、長期記憶の定着に効果的です。この方法は、同じ学習時間でも内容を分散して勉強した方が長期的な記憶の定着が良いとされ、分散効果と呼ばれています。エビングハウスによる忘却曲線の研究やバーリックのスペイン語単語学習研究など、多くの科学的研究によりこの効果が確認されています。最適な復習のタイミングは試験までの時間によって異なり、長期間にわたる記憶にはより長い間隔での復習が推奨されます。
分散学習の有用性は、様々な年齢の学習者や教材、試験形式において効果が確認されており、アクティブリコールと組み合わせることで、最強の学習法「連続的再学習」となります。
分散学習とアクティブリコールの原理に基づいたフラッシュカード型学習アプリ「Anki」を利用することも有効です。このアプリは、ユーザーが作成したカードを効率的に覚えることができるように、記憶の忘却曲線に従って復習の間隔を自動的に調整します。カードにはテキスト、画像、音声を含めることができ、学習者が様々な情報を記憶し、長期記憶に定着させるのを助けます。
2-3 科学的に効果が高い勉強法3 精緻的質問と自己説明
精緻的質問と自己説明は、学習内容を深く理解し、記憶に定着させるための効果的な学習法です。精緻的質問は、学習した内容に対して「なぜ?」や「どうして?」といった質問を自分自身に投げかけ、その答えを考えるプロセスを指します。一方、自己説明は、学んだことを自分の言葉で説明することで、内容の理解を深める方法です。これらの方法は、学習内容を自分の既知の知識と関連付け、新しい情報を積極的に吸収するために有効です。科学的研究により、これらの学習法は様々な年齢層と学習内容に対して効果があることが示されています。日常生活や学習スケジュールの計画においても、これらのアプローチを取り入れることで、より効率的な学習が可能になります。
2-4科学的に効果が高い勉強法4 インターリービング
インターリービングは、異なるトピックやスキルを交互に学習することで、深い理解と記憶の定着を促進する学習法です。この手法は、知識習得だけでなく運動スキルの学習にも応用され、多くの研究でその効果が示されています。例えば、バドミントンのサーブ練習など、異なる距離や異なる技術を交互に練習することで、特定のスキルが向上することが確認されました。また、数学の学習においても、インターリービングを取り入れたグループは、従来のブロック学習を行ったグループに比べて高い成績を収めています。インターリービングは、学習内容を混ぜ合わせることにより、各トピックにどの概念を適用するかを自分で判断する能力を養うため、実際のテストや実生活での応用力が向上します。しかし、全く異なる教科を混ぜると効果が薄れることや、知識レベルが低い場合にはブロック学習から始めた方が良いことも指摘されています。
CHAPTER3 覚えにくいものを覚える古代からの記憶術
本章では、科学的に効果が証明された学習法を超えて、特に覚えにくい情報を記憶するための「記憶術」に焦点を当てています。記憶術は、覚えにくい文字や数字を覚えやすいイメージに変換する古代からの技術であり、人間の脳が文字情報よりも視覚的イメージや場所を記憶しやすい特性を利用しています。具体的な方法として、「イメージ変換法」と「ストーリー法」が紹介され、これらを用いることで、難しい英単語や数字の羅列、年号などを効率的に記憶することが可能になります。
CHAPTER4 勉強にまつわる心・体・環境の整え方
4-1 勉強にまつわる心・体・環境の整え方1 勉強のモチベーション
自分にとって意味があると感じられる学習、自身の学業能力や学習に関する高い自己認識、自己評価、成功体験によって高められる自己効力感、そして自己決定理論に基づく内発的な目標設定が、学習のモチベーションを支える核心的な要素です。これらの要素は学習成果を向上させるだけでなく、学習者の精神的な満足感にも寄与し、長期的な学習継続の動機づけに役立つことが示されています。具体的な方法としては、自分自身で小さな達成可能な目標を設定し、成功体験を積むことが推奨されています。
4-2 勉強にまつわる心・体・環境の整え方2 勉強のヒント
本セクションでは、効果的な勉強方法やモチベーション維持のための個人的なヒントを紹介しています。勉強場所を定期的に変えることで集中力を維持し、スキマ時間を活用して効率的に学習すること、勉強に関する後悔を避けるために学び続ける重要性、そして好奇心を追求する喜びを享受することが勧められています。テクニックとして、ファインマンテクニック(他人に教えるように概念を説明することで理解を深める勉強法)と、コーネル式ノート術(ページを3つのセクションに分けて情報を整理し、効果的に復習するノート取り方法)が紹介されています。また、英語の情報へのアクセスの重要性や、スマートフォンの使用が勉強時間に与える影響についても言及があります。学びに対する熱意を維持するためには、自分にとって本当に大切なことを見失わないようにすることが大事です。効果的な学習のためには、アクティブリコールや分散学習のテクニックの利用、適切な教材の選択、そして時にはテクノロジーを活用しつつも、勉強と生活のバランスを保つことが重要です。
4-3 勉強にまつわる心・体・環境の整え方3 睡眠の大切さ
睡眠は健康、特に肥満、糖尿病、心疾患、うつ病へのリスクを低減するだけでなく、記憶の定着と学習にも重要な役割を果たしています。日本はOECD加盟国中で睡眠時間が最も短いですが、アメリカ睡眠医学会は大人に7時間以上の睡眠を推奨しています。良質な睡眠を確保するためには、一貫した睡眠スケジュールを保ち、就寝前の電子機器の使用を避け、運動と健康的な食事を心がけることが推奨されています。
4-4 勉強にまつわる心・体・環境の整え方4 運動の大切さ
運動は海馬の細胞増殖を促し、認知機能を向上させる効果があり、人間においても様々な活動を通じて脳の一部が増殖することが確認されています。特に、有酸素運動は海馬の容積を増加させ、記憶力や学習効果を高めることが示されており、一回の運動でも短期的に脳の実行機能や記憶力を高める効果が期待できます。運動による健康への多岐にわたる良い効果は、長期的な認知機能の改善に加えて、総死亡率の低下や心臓血管疾患のリスク低下など、幅広い健康上の利点があります。
4-5 勉強にまつわる心・体・環境の整え方5 勉強で不安を感じた時
高い目標に向かって勉強しているときに感じる不安に対処するためには、「今日、一日の区切りで生きる」という心がけが重要です。ウィリアム・オスラーの提唱するこの考え方は、過去の失敗や未来の不安から解放され、目の前のタスクに集中することを促します。また、不安や焦りを感じたときには、自己の感情や考えを書き出すジャーナリングを通して、自分自身の思考や感情を整理することが有効です。
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