【書評】TALENT – 「人材」を見極める科学的なアプローチ 〜採用面接で使えそうな質問例がいっぱい!

Amazonにおける本の紹介

▪▪ありきたりの面接では「人材(TALENT)」は見いだせない。▪▪

「いい人が採用できない」
「いい人材が見つからない」
「会社を変えるような人材に出会いたい」

「人材(TALENT)」という言葉は、組織や立場によって、めくるめくその意味が変わっていく。

本書『TALENT——「人材」を見極める科学的なアプローチ』では、今まで語られることのなかった多彩な観点によって「TALENT」が紐解かれていく。時に著者の想像力と経験値に基づき、時に心理学のビッグファイブ理論をベースに、時にジェンダーや障がいという観点から語られる。「TALENT」が必要なのは、もはや芸能やスポーツだけではなく、組織におけるマネジメントの大きな課題となっている。

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感想

人材採用の重要性、面接プロセス、人材の評価、女性やマイノリティの扱い、そして人材を引き寄せ育てる方法についての本です。

著者は、エンゼル投資家やベンチャー投資家として人材発掘を行なっているダニエル・グロスと、ジョージ・メイソン大学の経済学部教授として大学職員の採用と大学院の入学審査を担当しているタイラー・コーエンの二人です。

一般企業の人事担当ではない二人が書いた本ですが、人材探しや採用面談に関して役立つ情報が書かれていて面白かったです。とくに、最初に書かれている「質問例」はすぐに面接の現場で使えそうでためになりました(本を読んでね)。

いまの会社では、部署の面接を担当している方々ともよくお話をしますし、「面接官の一人になってもらうことがあるかも」というお話もいただいたことがあるので、どんなふうに面接するのがいいのか、どういう観点で人材を探したらいいのか、興味があったんですよね。

最後の章で、「人材の発見と育成は密接に関連している」ということが書かれていて、たしかに採用活動は会社の育成環境の整備とセットでないといけないなあと思いました。

「どうやったら自分のいる会社が働きやすく、成長の機会があって、楽しく仕事ができるようになるか?」というのは、一般社員であるわたしもいろいろ考えていて、改善案を提案することもあります。答えがない問ですが、これは「どうやったら自分が楽しく働けるか?」を考えることと等しいと思ってるんですよね。一日の大半を仕事に費やしているわけなので、楽しく快適に働きたいんです。これからも情報収集したり自分なりに考えていきます。

各章の概要

  1. なぜ「人材」が重要なのか: 採用面接においては、候補者の日常的な練習や興味が重視されるべきで、GRIT(やり抜く力)や情熱よりも粘り強さが重要とされています。IQの重要性は高くなく、休憩時間の活動やブラウザでのタブの内容から候補者の知的習慣を評価することが有効です。
  2. 面接と質問の方法: 面接は候補者を理解する手段であり、適切な質問によって候補者の学びや前進を見極めることが重要です。面接官は雄弁さを過大評価せず、内容に注目し、プレッシャーに対する候補者の反応を観察するべきです。
  3. 「人材」に知能は必要か?: IQは協力し合う傾向に関連しているが、雇用では意欲や自発性、好奇心、倫理感も同等に重要です。社員が協力し合える環境の整備が必要であるとされています。
  4. 「人材」におけるパーソナリティとは?: ビッグファイブ理論(性格を神経症傾向、外向性、開放性、協調性、誠実性の五つの分類で理解するもの)は性格分類に役立つが、モティベーションを軽視する傾向があります。倫理観、誠実性、GRIT、スタミナなどが重要な要素とされ、チーム内で独自の性格枠組みを作り、共通の言語を持つことが推奨されています。
  5. なぜ才能ある女性やマイノリティはいまだに過小評価されているのか: 才能ある女性やマイノリティが過小評価される原因は多岐にわたり、性格特性や賃金格差、自信の欠如、文化的障壁などが挙げられています。女性が面接プロセスに加わると、選考のダイナミクスが変わり、より良い結果をもたらすことが示されています。
  6. 「人材」を説得し、招き入れる方法: 人材の発掘と育成は密接に関連しており、適切な指導と後押しが必要です。環境や風潮の整備が人材活用に影響を与え、ロールモデルの提供や人々との交流が重要です。この影響力を賢く使うことで、他人に新たな可能性を開くことができます。

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