【書評】『ChatGPT GPTsが作れるようになる本』〜カスタムGPTを作成して作業を効率化しよう!すぐに作れる!

アイキャッチ

「白黒タキシード猫が人型ロボットを組み立てている 水彩画風」というプロンプトでDALL-Eに画像を生成してもらい、そこにCanvaで文字を入れました。

猫のふわふわおててでパーツをもっているところがかわいくてお気に入りです。

DALL-Eは「水彩画風」でお願いするといい感じになることが多いので、基本的にそれでお願いすることにしています。最近、DALL-Eでは生成された画像の一部分を選択して、プロンプトで書き換えることができるようになりました。たとえば猫の目の色を変えるとかが簡単にできます。便利です!

Amazonにおける本の紹介

GPTsとは、ChatGPTを自分の使いたい用途に合わせてカスタマイズできるサービスです。

本書では、GPTs開発の第一人者がGPTsの開発方法について、ハンズオンで丁寧に解説しています。

また、開発方法だけでなく、役立つ定番GPTの紹介や、よくある疑問にお応えするQ&Aも掲載。

特典も併せて、実践的な開発力が身に付きます。

amazon.co.jp

感想

どんな本?

OpenAIのChatGPT plusで使える、「カスタムGPT(GPTs)」が作成&利用できるサービスについての解説本です。この機能なのですが、本書では「GPTs」と呼んでいます。ですが、英語だと単なる複数形なわけで、意味が伝わりにくいと思うので、書評では「カスタムGPT」と呼ぶことにします。公式でもっとわかりやすい呼び名を作ってくれたらいいなと思うのですが…

カスタムGPTに関する本は類書がほぼないので、発売前からとても楽しみにしていました!

著者はどんな人?

著者の「ChatGPT研究所」さんは個人ではなく団体のようで、noteでChatGPT関連のニュースや使い方などについて発信されています。

とくにカスタムGPTについてはいろいろ便利なものを作っておられたり、「GPT開発の教科書」のような技術まとめ資料も発表されたりしています。今回はそれらの活動の集大成という感じですね。

本の内容で役立ちそうなこと

本書では、カスタムGPTの設定の仕方から、プロンプトの効果的な書き方、便利な既存GPTの紹介など、内容盛りだくさんでした。

特に、プロンプトの書き方については書き方のポイントがまとめられているのと、プロンプト例もたくさん載っているので、すぐに使えてとても良かったです。

わたしはChatGPT plusに課金していて、ニュースまとめや書評を書いたりするのに必要なプロンプトをまとめてカスタムGPTを作っているのですが、思った通りに動いてくれないことも多く、修正の指示を与えたり、新しいチャットを開いて再度試したりしてなんとかかんとか使っている感じでした。

プロンプトエンジニアリングの本も読んだことがあったのですが、本書はそれよりも詳しかったです。

とくに役立ったテクニックをあげてみます。

  • AIに求める行動や結果を明確に述べる。具体的な要求や目的をはっきりと示すことが重要。
  • 適切な背景情報を提供し、不要な詳細は省くことで、応答の質と精度を向上させる。
  • タスクを小さなステップに分ける。それぞれのステップで何を期待しているのかを明記する。
  • 期待する応答の形式を明確に指定する(例:リスト、段落、コードブロック等)。
  • AIに対して特定の役割を与え(たとえば、「あなたはKaggle Grand Masterです」など)、その役割に基づく目標や行動指針を設定する。
  • プロンプト内で特に重要な情報や指示を強調(「特に重要」などのように)し、AIの注意を集中させる。
  • プロンプトの構造を整理し、視覚的にも分かりやすくするためにマークダウン記法を利用する。
  • 実際の使用状況を模倣したシナリオを提示し、より関連性の高い回答を得る。

本書の書き方は確かに人間にとってもわかりやすく明確です。これまではほぼ我流のプロンプト書いていたので、「想定していた応答にならない…」ということが多かったです。この本の書き方に基づいて実際にプロンプトを修正してみると応答精度が向上しました。

また、カスタムGPTを作るときの設定画面で、名前と指示以外に重要な要素として「knowledge」「Actions」があります。

knowledge」はカスタムGPTにテキストファイルなどの形で情報を与えることができる機能です。この機能のすごいところは、テキストファイル以外にもjsonやプログラム、ライブラリファイルなどの様々なファイルを与えることができるところです。

本書では、Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)で使えないライブラリのファイルや、フォントファイルなどを与えていました。

また、「Actions」は外部APIと連携できる機能で、これを活用するとより多機能なカスタムGPTを作ることができます。この機能を使いこなすことが、既存のカスタムGPTと差別化するためのポイントです。

残念だったこと

本書ではもちろん「Actions」機能の使い方には触れられているのですが、最も簡単な認証不要のAPI連携の仕方のみで、より高度な活用法については読者特典としてnoteの記事に記載されています。この点はちょっと残念でした。

読者特典のnoteの記事では、設定のYAMLファイル例や設定の仕方が書かれていますが、じゃあこれを使ってどういうものを作るか?というところはほとんど書かれていなかったので、物足りなく感じました。このあたりは今後さらにnoteの記事や新刊が出ることを期待したいですね。

ただ、API連携を使わなくても、便利な個人利用カスタムGPTを作ることはできますので、ひとまずInstructionやKnowledeなどの設定方法がわかっただけでも本書を読んだ価値があったと思いました。

すぐに使える!既存のカスタムGPTの紹介

既存の便利なカスタムGPTの紹介もあります。いまのGPTs storeは玉石混交で、いいものを探すのが難しいですし、ネット上にもあまり情報がないのですよね。

OpenAIが22個もカスタムGPTを公開しているのも初めて知りました。さすがに本家が作ったものは質が高く、使い勝手もよかったです。便利なものだけではなく、ノンアルカクテルの作り方GPTなどのおもしろ系もあるので、チェックしてみてください。

それ以外のカスタムGPTにもいいものがありました。Paper Interpreterはさくさく論文が読めるということで話題になっていましたよね。これは論文PDFを入力すると、「タイトル、雑誌名&発行年、著者、所属、抄録、背景、方法、結果」のような定型のフォーマットで論文の内容を説明してくれるカスタムGPTです。わたしも使ってみましたが、token数が多く、すぐに「Continue generating(生成を続ける)」が出てきてしまい、処理が重かったので、普通にテキストやPDFを突っ込んで知りたいところを質問するのでも十分かな、と個人的には思いました。たくさんの論文を読んで内容を比較整理するにはとても役立つと思います。

すぐに使える! よくある質問と回答

また、最後の「よくある質問」は気になっていたことがわかって良かったです。

  • プロンプトは日本語で書いてもいいの? → OK
  • 人物や公共の人物を模倣したGPTを作ることはできますか? → ガイドラインに基づき、対象の同意を得ることが重要
  • GPTsにAPIでアクセスする方法はありますか? → 現在はできない
  • GPTs と Assistants APIの違いは何ですか? → GPTsはChatGPTの機能、Assistants APIはAPIを使ってAIアシスタントを構築する機能
  • 開発したプラグインを GPTs に移行できますか? → できない
  • GPTs との会話から OpenAIはトレーニングを行いますか? → API, Team, Enterpriseでは行わないが、それ以外では利用することがある

など、一度は気になる疑問について回答されていて(本文はもっと丁寧に回答されています)、スッキリしました。

どんな人におすすめ?

Actions機能についての説明が少ないのは残念でしたが、簡単なカスタムGPTを作ってみたいという人にとっては十分すぎる説明と作成例が載っていますので、「カスタムGPTを作ってみたけど、思ったように動いてくれない…」という人はぜひこの本を読んでみてください。

もちろん、まだ使ったことない人、課金するか迷っている人にとっても、カスタムGPTの作成例がたくさん載っており、説明も丁寧ですので、カスタムGPTを作る&使うイメージができていいと思います。

わたしの次のアクション

わたしもこの本の内容を使って、カスタムGPTを作って作業をどんどん効率化していきたいです。まずは毎日のニュースまとめのカスタムGPTを作りたいですね〜

うまくできたらまたブログに書きたいと思います。

概要

Chapter1 ChatGPTとGPTsの基本を学ぼう

GPTsとは、ChatGPTを自分の必要に合わせてカスタマイズできるAIアシスタントのことです。ChatGPTの基本機能を調整でき、事前に設定や外部ファイルのアップロードが可能です。また、APIを連携させたり、チーム専用のGPTを作成できる機能があります。

GPTストアでは、カスタマイズしたGPTを作成、共有、探すことができます。

OpenAIは、2024年第1四半期にアメリカ国内で収益化プログラムを開始する予定です。

Chapter2 対話形式でGPTを作成しよう

2-1 健康アドバイザー機能を持つGPTの作成

「GPT Builder」を使用し、対話形式でGPTを作成することができます。指示作成、ロゴ決定、詳細内容や会話のトーンの決定をします。

箇条書き、番号付きリスト、太字、イタリックなど、様々な出力の表現が可能です。日本語での指示も可能です。明確な指示を心がけ、複雑な指示は「Configure」で手動設定しましょう。

2-2 自分専用の家庭教師GPTの作成

中学生レベルの英語教育に特化したGPTを作成します。DALL・Eを利用して視覚的な教材の提供も行います。

【世界で使われるGPTを作る3つのポイント】

  • 「Actions」機能を活用し、外部アプリケーションとの連携を図る。
  • テキスト以外のメディアフォーマットを活用し、ユニークなGPTを作成。
  • 優れたGPTを分析し、自分のGPTに応用する。

Chapter3 自分でプロンプトを組み立ててGPTを作ろう

3-1 プロンプトの基礎

プロンプトとは、AIに何をしてほしいかを伝えるための指示文です。これにより、AIがどのように動作するかが決定されます。効果的なプロンプトは、AIをより適切に、目的に沿った方法で使うために不可欠です。GPTの機能をフルに活かすためのキーとなります。

3-2 プロンプトエンジニアリングの原則

プロンプトエンジニアリングはAI、特に大規模言語モデル(LLM)への質問や指示を最適化し、AIのパフォーマンスを向上させる技術です。ChatGPTなどのAIから高品質な出力を得るために重要なプロセスです。

プロンプトエンジニアリングの5つの原則

  • 明確性と目的の表現
  • 文脈情報の提供
  • タスクの段階的進行
  • 出力形式の明示化
  • 外部ツールとの連携

プロンプト作成のコツは以下のとおりです。

  • 役割の明示:GPTに対して具体的な役割や職業を示し、タスクの方向性を明確にします。
  • 目標の明示:GPTに具体的な目標や行動指針を設定し、期待されるアウトプットを明確にします。
  • 重要なポイントの強調:特定の情報や指示の重要性を強調し、GPTの注意をそのポイントに集中させます。
  • 重要度の段階的表現:異なる重要度レベルを明示し、プロンプト内の優先順位を設定します。
  • マークダウンの活用:プロンプトの構造を整理し、視覚的にも理解しやすくします。
  • #の数による重要度の表現:マークダウン記法を用いて情報の重要度を#の数で示し、情報の階層化を行います。
  • 質問促進のプロンプトの活用:GPTに対して質問を促し、より詳細な情報や明確化を求める動的な対話を促します。
  • 手順の明示:タスクをステップごとに分割し、具体的な手順に沿った解決策を促します。
  • 具体的なシナリオの提示:実際の使用状況を模倣したシナリオを提示し、関連性の高い回答を促します。
  • 言葉遣いの調整:応答のトーンを指定することで、目的に合ったスタイルの回答を得ます。
  • 名前の意識:GPTの名前を意識的に選択し、指示に対する反応性を高めます。
  • Knowledge機能のファイル名の統一:情報源の一貫性を保ち、応答の信頼性を高めます。
  • 余計な出力の省略:不要な情報を排除し、目的に集中したアウトプットを促します。
  • プログラミング記号の活用:コードの断片や特定の形式を示すために、プログラミング言語の記法を活用します。
  • 期待する応答の形式を指定:情報の整理や要約を効率的に行うために、応答の形式を明確にします。

3-3 Configure画面の使い方

この節では、GPT Builderを用いてカスタマイズ可能なConfigure画面が紹介されています。これにより、ユーザーはGPTの振る舞いや応答スタイルを細かく設定できます。

  • NameとDescription:GPTの名前と概要説明を設定します。これらはGPTの識別とユーザーの第一印象に影響します。
  • Instructions:GPTの行動指針や避けるべき行動を指示。ここに記入されたプロンプトが応答とコンテキスト形成のガイドラインになります。
  • Conversation starters:ユーザーがGPTとの対話を開始する際の初期フレーズを設定。
  • Knowledge:GPTに追加情報を統合し、アップロードされた文書やデータを基に応答を提供させることが可能です。
  • Capabilities:GPTに特定の機能(Web Browsing、DALL•E Image Generation、Code Interpreter)を有効化させることができます。
  • Actions:GPTに特定のAPIを実行させるカスタムアクションを追加できます。
  • Preview機能:設定したプロンプトやアクションに基づき、GPTの応答をリアルタイムでテスト可能です。

3-4 GPTsによるカスタマーサポートの自動化 – プロンプトを用いた例①

カスタマーサポートを自動化するGPTの実装についてのプロンプトは、「FuturaPhone X1」という架空のスマートフォンモデルをサポートすることを目的としています。

  • GPTが扱う製品やサービスに関する具体的なコンテキストを提供し、応答の方向性を明確にします。プロンプト例: 「あなたは”FuturaPhone X1″のカスタマーサポートAIです。」
  • スマートフォンの画面サイズやカメラの解像度など、製品の詳細仕様をリスト化します。
  • 対話スタイルの調整指示をします。プロンプト例: 「あなたはユーザーの感情を理解し、共感的な対応を心がけます。」
  • 問い合わせ先の案内をします。プロンプト例: 「どうしても解決できない問題がある場合は、ユーザーに対して”サポートページへの問い合わせ”をお勧めします。」
  • 製品仕様に書かれていないことについて誤った情報を提供しないようにします。プロンプト例: 「画面サイズ:6.5インチ OLED ディスプレイ、高解像度カメラ:48MP メインカメラ、12MP広角カメラ、5MP 深度センサー…」
  • 重要なポイントを強調します。プロンプト例: 「非常に重要:製品仕様に書かれていないことについて、誤った情報を答えることは必ず避けてください。」

ハルシネーションとは、AIが事実に基づかない情報を生成する現象。原因としては、学習データの質、AIモデルのアーキテクチャ、学習プロセスの問題が挙げられます。対応策としては、Web検索機能の設定、Knowledgeやプロンプトを通じた情報の補強、プロンプトでの制御などがありますが、ハルシネーションを完全に防ぐことは難しいとされています。

3-5 ビジネスメール自動生成GPTの作成 – プロンプトを用いた例②

日々のビジネスメールを自動で作成する技術を導入することで、仕事の効率を大きく向上させ、より質の高いメールを簡単に作成できるようになります。

  • 重要な指示事項に「重要」という言葉を用いて強調する。プロンプト例:「重要:コピーしやすいように名と本文を分けてそれぞれ別のコードブロック形式で出力してください。」
  • マークダウン記法を用いてプロンプトの各セクションを構造化します。
  • メールの件名と本文の具体的な例を与えます。
  • 特定のワードに特定の情報を割り当てる「変数」の概念を使用します。プロンプト例:文末情報=”””高橋太郎“”” ${文末情報}
  • コンテキスト情報として、提供サービスなど会社の情報を詳細に与えます。

メタプロンプトは、「プロンプトを作るためのプロンプト」と定義されます。このアプローチは、特定のニーズに応じたプロンプトを効率的に生成するために使用されます。繰り返し同様のプロンプトを必要とする場合に、手作業での作成負担を大幅に軽減します。

Chapter4 多様な機能を搭載したGPTを作成しよう

4-1 名刺画像を用いたビジネスメール自動生成するGPTを作ろう – 画像認識を活用する

この章では名刺からフォローアップメールを生成するケースが紹介されます。GPTの画像認識の力を活用して、受け取った名刺の情報を解析し、そのデータを基にパーソナライズされたメールを作成します。

画像認識機能を効率的に利用するために、GPTの設定からCode Interpreter(Pythonコードの実行機能)のチェックを外します。これにより、ChatGPTのデフォルトの画像認識能力に依存する設定になります。

4-2 ベクターイラストメーカーGPTを作ろう – 画像生成を活用する①

DALL・Eは、テキストから画像を生成するAIモデルで、複雑で創造的なビジュアルコンテンツの生成が可能です。

画像生成機能を搭載したGPTを作成するためには、まずCapabilitesで「DALL・E Image Generation」がオンになっていることを確認します。

DALL・Eを使用して文字入れを行う場合、現状では英語に限定され、日本語での文字入れはサポートされていません。また、文字入れが必ず成功するわけではなく、大文字と小文字の区別がないことに注意が必要です。

4-3 ニュース投稿作成GPTの開発 – 画像生成を活用する②

ニュース記事の内容を解析し、その重要なポイントを抽出して、投稿文に反映させます。次に、 DALL・Eの画像生成技術を使用して、ニュース記事の内容やキーワードに基づいた画像を生成します。投稿文と画像は、ソーシャルメディアユーザーが興味を持ちやすい形式で出力します。

プロンプト設計のコツ

  • GPTに求める出力の種類(投稿文、画像)と、その目的(ニュースの要約、注目を集めるビジュアルコンテンツの作成)を明確にします。
  • 投稿文の長さ、スタイル(例: リスト形式)、始まりのフレーズ(例: 「【最新ニュース】」)、画像のアスペクト比(例: 横長)など、出力に期待する具体的な条件をプロンプトに含めます。
  • 関連キーワードを提示する:ニュースのトピックや重要なテーマに関連するキーワードをGPTに提示し、それを基に画像を生成するよう指示します。
  • 投稿文をコードブロック形式で出力するなど、出力のフォーマットを指定します。

4-4 競合調査GPTを作ろう – Web検索を活用する

Web Browsing機能は、GPTの能力を向上させるためにはまず有効化する必要があります。これを行うには、GPTの設定画面(またはAPIの設定)で「Web Browsing」のオプションをオンにします。

Web Browsing機能を利用する際は、プロンプトにWeb検索を行うよう指示する必要があります。たとえば、「最新の〇〇についてWebで検索してください」という形式でプロンプトを設計します。

Knowledge機能を使用するには、まず関連する情報が記載されたテキストファイルを準備します。このファイルは、GPTに読み込ませたい知識の集合体です。

GPTの設定画面にある「Knowledge」セクションで、「Upload files」をクリックし、準備したテキストファイルをアップロードします。アップロードされたファイルは、GPTが応答を生成する際の参考情報として使用されます。

プロンプトには、アップロードしたファイルに基づいて応答を行うよう指示します。例えば、「アップロードされたファイルに基づいて、〇〇について説明してください」という形式です。

GPTは、アップロードされたファイルから情報を抽出し、ユーザーからの質問に対する応答を生成します。

4-6 テーラーメイドした営業資料 (PDF)の作成代行GPTを作ろう – Code Interpreterを活用する

お客様の会社情報をもとに、その会社専用の営業資料をPDF形式で自動的に作成することができます。

Code Interpreter」という機能を使うことで、Pythonというプログラミング言語で書かれたコードを生成し、実行することが可能です。これにより、データの分析や画像の加工、音声の生成など、多岐にわたる作業が行えます。

Code Interpreterを使用する際の制限

  • インターネットへの非接続
  • 1回の処理時間が60秒以内
  • ファイルの一時保存
  • 利用できるPythonパッケージが限られている

営業資料の作成には「reportlab」というPythonパッケージと、「NotoSansJP-Medium.ttf」というフォントを使用します。これにより、日本語を含むPDF資料を美しく作成できます。

Code Interpreterをうまく使うためには、事前に必要なパッケージ(例:reportlab)の名前を知っておく必要があります。これらのパッケージは、PythonでPDFを作成する際に重要な役割を果たします。

4-7 URLの内容を直接読み込めるGPTを作ろう – Actionsで外部APIを利用する

Actionsとは、GPTが外部のAPIと連携できるようにする機能です。これにより、GPTはより多くの情報にアクセスし、様々なタスクを実行できるようになります。

Webpilot APIは特定のURLから直接情報を読み取るためのAPIです。これをGPTに組み込むことで、ウェブページの内容を基にした応答を生成することができるようになります。

GPTに外部APIの使い方を教えるには、APIの機能やデータ形式を説明するOpenAPI仕様のファイルをGPTに読み込ませます。このファイルは、YAMLまたはJSON形式で書かれ、APIの詳細を定義します。

Actions機能を使用する際は、GPTの設定からWeb検索機能を無効にします。

通常、このSchemaは自分で一から書くことは少なく、以下の2つの方法で用意します。

  • ChatGPTに作成してもらう: 「Get help from ActionsGPT」という機能を使って、APIの仕様書を提供し、ChatGPTにYAMLファイルを作成してもらう方法です。
  • URLからインポートする: すでにインターネット上に公開されているOpenAPI SchemaのURLを指定し、「Import from URL」という機能を使ってダウンロードする方法です。

Actions機能により、GPTは単なる情報応答ツールを超え、外部サービスと連携して具体的な業務処理(例えば、ウェブページの内容を基にしたメール作成)を自動化するツールへと進化します。

【注意点】

  • 外部APIを使用する際は、認証情報の取り扱いや、安全な通信の確保に注意が必要です。
  • 外部APIの呼び出しには時間がかかる場合があります。GPTの応答時間とAPIのレスポンス時間を考慮する必要があります。
  • 連携するAPIには呼び出し回数や利用可能な機能に制限がある場合があります。これらの制限を事前に確認し、適切に管理する必要があります。
  • APIから予期しない応答が返ってきた場合の処理を考えておくことが重要です。GPTが適切にエラーを処理できるようにプロンプトを設計します。

4-8 ブログサムネイル画像の作成を自動化するGPTを作ろう – 複数機能を搭載する

GPTを使って、ブログのタイトルから自動でサムネイル画像を生成する方法を紹介します。

まず、画像を生成する「DALL・E Image Generation」と、画像にコードを使って加工する「Code Interpreter」の2つの機能を使います。

ユーザーがブログのタイトルを入力すると、そのタイトルに合った画像を作り、画像には15ピクセルの枠をつけて、タイトルを画像の中央に入れます。タイトルの文字は「Noto Sans JP Black」というフォントで、白色で60ピクセル以上のサイズになります。このフォントはGoogle Fontsからダウンロードし、GPTにアップロードする必要があります。

Chapter5 他の人が作ったGPTを利用しよう

5-1 OpenAIが作ったGPT全22選

  • Data Analyst: データ分析を支援する
  • Web Browser: インターネット検索を行う
  • Professional Writing Coach: プロレベルの執筆指導を提供する
  • DALL-E: 画像生成を行う
  • ChatGPT Classic (GPT-4): 汎用の会話を行う
  • Document Assistant: 文書作成を助ける
  • Coding Assistant: コーディング支援を行う
  • Tech Support Advisor: 技術サポートを提供する
  • Text Extractor: テキスト抽出を行う
  • The Negotiator: 交渉をサポートする
  • Visual Designer: ビジュアルデザインを支援する
  • Hot Mods: ゲーム改造を助ける
  • Creative Writing Coach: 創造的な執筆を支援する
  • Coloring Book Hero: ぬりえのデザインを生成する
  • Planty: 植物に関する情報を提供する
  • Game Time: ゲーム関連の情報を提供する
  • Cosmic Dream: 宇宙に関する情報を提供する
  • Laundry Buddy: 洗濯に関するアドバイスを提供する
  • Sous Chef: 料理のレシピを提供する
  • Math Mentor: 数学学習を支援する
  • Mocktail Mixologist: ノンアルコールカクテルのレシピを提供する
  • genz 4 meme: ジェネレーションZ向けのミームを生成する

OpenAI以外の既存カスタムGPT – MOFUのピックアップ

  • Japanese Proofreader: 日本語の文章校正を行う
  • Slide Maker: 指定トピックに基づくスライドを生成する
  • WebPilot: 情報収集を効率化する
  • Canva: デザイン作成をサポートする
  • Consensus: 学術論文から情報を抽出する
  • Paper Interpreter (Japanese): 学術論文の内容を解説する
  • BetterActionsGPT: API仕様書をYAML形式で作成する
  • Prompt Professor: プロンプトエンジニアリングの支援を行う
  • Diagrams: Show me: グラフやマインドマップを瞬時に作成する

Chapter6 よくある質問

6-1 GPTsについてのよくある質問

  • プロンプトエンジニアリングの学習には、OpenAIの公式ドキュメントを読むことが推奨され、特に「Prompt Professor」GPTが学習に役立つ。
  • GPT-4では日本語でも高い精度が得られるが、出力言語が英語の場合は英語でプロンプトを書くことが推奨される。
  • 新しいGPTsを作るとき、本書のGPT用プロンプトを参考にして、必要に応じてカスタマイズする。
  • 複数のChatGPTのコア機能を組み合わせることで便利なGPTが作れる。
  • OpenAIのポリシーに遵守し、他人を欺いたり誤解を招いたりすることが禁止されている。
  • カスタムGPTへのAPIアクセスは現在は不可で、代わりにAssistants APIが利用可能。
  • カスタムGPTは特定のタスクにカスタマイズ可能なChatGPTの機能、Assistants APIはアプリケーション内でAIアシスタントを構築できる。
  • プラグインの移行は直接は不可だが、カスタムアクションとして移行可能。
  • OpenAIはビルダー向けにオプトアウトオプションを提供していない。
  • OpenAIはChatGPTやDALL・Eへの入力をモデルのパフォーマンス向上に使用することがあるが、ビジネス向けサービスでは顧客の入力を使用しない。

6-2 GPTストアについてのよくある質問

  • おすすめのGPTは時間とともに変化する。
  • ポリシー違反と思われるGPTは「Report」機能で報告可能。
  • ビルダープロファイルとGPT間で1対1のドメイン確認が必要。
  • 「Receive feedback emails」オプションでユーザーフィードバックを受け取り可能。
  • GPTの不具合時は、制作者が連絡先共有に同意していればフィードバックを共有可能。
  • OpenAIは収益化のための方法を検討中。
  • 「トレンド」機能では、エンゲージメントに基づいてGPTがランキング化される。
  • GPTの「Feature(特集)」は独自性、一貫したパフォーマンス、広範な関連性があるGPTが対象。
  • 共有設定の変更でストアから削除可能。
  • GPTストアには、名称、作成者、説明など複数要素に基づくランキングシステムが存在。

読者特典から – API連携について

  1. 認証不要のAPI:最もシンプルなタイプのAPIで、認証(ログイン情報等)を必要とせずに利用できます。YAML情報(APIの設定ファイル)を指定するだけで、すぐにAPIを利用することができます。これは、一般的に情報のセキュリティが重要でない場合や公開データにアクセスする際に使われます。
  2. セキュリティキー認証(クエリー方式):この方法では、APIリクエストのURLの一部としてセキュリティキー(APIキー)を送信します。これにより、リクエストを行う際に認証を行うことができますが、URLにキーが含まれるため、第三者に見られるリスクがあります。そのため、この方法は一般に公開される環境では使用されません。
  3. セキュリティキー認証(ヘッダー方式):より安全な方法として、APIキーをHTTPリクエストのヘッダーに含めて送信します。これは「Bearer認証」とも呼ばれ、OAuth2トークンなどの認証トークンを使用してAPIリクエストを保護します。この方法では、キーがURLに直接露出することはなく、安全に情報を保護できます。
  4. OAuth2認証:最も複雑でセキュアな認証方法です。OAuth2を使うと、ユーザーがAPIに対して特定のリソースへのアクセスを許可することができます。トークンベースの認証で、ユーザーは自身のクレデンシャル(IDとパスワードなど)を直接アプリに渡すことなく、サービスへのアクセスを許可することができます。OAuth2はトークンを発行し、有効期限が切れたらリフレッシュする必要があるため、管理がやや複雑です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました