2023年読んでよかった技術書・ビジネス書ランキング【2024/1/28追記】

はじめに

2023年に読んだ技術書・ビジネス書の中から、「わたしにとって役に立ったもの」という観点でランキングを作ってみました。

けっこうたくさん読んだな〜

後半ではビジネス書を読むことが多かったですが、2024年はもっと技術書を読みたいです。

年末年始休暇の方も多いと思いますので、よかったら年越しのお供や、新年から頑張るための一冊の参考にしていただけたら嬉しいです。

10位:『プログラミング言語大全』

書評『プログラミング言語大全』〜プログラミングをする・やってみたい人みんなに強くおすすめ!(2023/9/9に大幅に修正)

本書は、プログラミング言語に関する基礎知識から始まり、さまざまな言語の特徴歴史、そして活躍するシーンに至るまで、幅広くカバーしています。

プログラミングをしている人、興味がある人にとって非常に有益な一冊だと思います。

クジラ飛行机さんの本は、何冊か持っているのですが、どの本もプログラミングに関する豊富な知識と実用的な情報でどれもお気に入りです。文章が丁寧さでわかりやすく、きっと人柄も素敵な方なのだなあ…と思っています。

各章では、言語ごとの詳細な説明やFizzBuzz問題のコード例を通じて、言語の違いや特徴を学ぶことができるようになっています。これにより、読者は様々なプログラミング言語に触れ、それぞれの言語の用途や特性を理解することができます。

また、プログラミング言語の分類や動作原理についての説明も含まれており、初心者から上級者まで幅広い層の読者に対応していると思います。

最終章で、プログラミング言語の作り方についての章も含まれていて興味深かったです。

プログラミングに関する知識を広げたい、新しい言語に挑戦したい、あるいはプログラミングの世界に足を踏み入れたいと思う人々にとって、この本はとても有益だと思います。Kindle版だと、「この言語なにかな?」と思った時にすぐ調べることができるので、紙よりも便利かなと思います。

9位:『解像度を上げる – 曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』

【書評】『解像度を上げる — 曖昧な思考を明確にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点』〜「仕事ができる」ようになるためにはどうすればいいかがわかる!

有名データサイエンティストVTuberのアイシア・ソリッドさんがX (Twitter)でおすすめされていた本です。

この本は、ビジネスや個人の成長における「解像度」の重要性に焦点を当てています。

もともと「解像度」は印刷やディスプレイなどの分野で使われる言葉でしたが、最近ではビジネスでも「解像度」は物事への理解度や表現の精細さ、思考の明晰さなどを示す言葉として使われるようになってきました。

本書では、解像度を高めるために「深さ」、「広さ」、「構造」、「時間」の視点が提示されており、行動指針が具体的に示されています。とくにインプットとアウトプットのプロセスを繰り返すことが強調されています。

わたしはお仕事で研究開発をしてきた・することがあるので、とくにこの本の内容が刺さりましたし、勉強やスキルアップに対しても役立つと感じました。やっぱり「トータルでその課題にかけた時間」が大事だというのがよくわかったので、これからもコツコツ努力しないとな〜と思いました。また、コミュニティに所属することの重要性も改めて感じたので、2024年はいろいろ外に向かって活動していきたいなと思っています。

2024年は「丁寧に仕事をする」というのが一つのテーマです。

そのためには「解像度を上げる」こと、つまり「深さ」「広さ」「構造」「時間」の観点で、あたら得られた仕事を理解することが役に立ちそうです。2024年もがんばるぞ〜!

8位:『物体・画像認識と時系列データ処理入門(第2版)』

書評『物体・画像認識と時系列データ処理入門 第2版』

この本は、ディープラーニングの基礎から実践的な応用までをカバーしており、理論と実装のバランスが良く取れています。特に、数式とPythonを用いた実装の両方が提示されている点が、理解を深めるのに役立つと感じました。

ニューラルネットワークの基礎から始まり、多層パーセプトロン、画像認識、時系列データ処理、自然言語処理に至るまでの幅広いトピックを網羅しているのが特徴です。TensorFlow, Keras, PyTorchといった主要なディープラーニングライブラリを用いた実装例が豊富に含まれており、異なるライブラリの使い方を比較しながら学習することができます。

また、第4章と第5章におけるニューラルネットワークの実装は、ライブラリを使わずにPythonとNumPyのみで行う点が特筆されており、これによりディープラーニングの理論を深く理解することが可能になります。

時系列データ処理とOpenCVに関する内容は比較的短いですが、ディープラーニングの入門書としては十分な範囲をカバーしていると言えると思います。

ディープラーニングの基礎から応用までを一通り学びたい方、特に数学やプログラミングの基本知識を有している方にとって、この本は非常に有益だと思います。ただし、Kindle版の固定ページ方式による小さい文字サイズは読みにくいので、タブレットをお持ちでない方は紙で購入した方がいいかもしれません。

7位:6日間で楽しく学ぶLinuxコマンドライン入門 コマンドラインの基本操作を身につけよう』

書評『6日間で楽しく学ぶLinuxコマンドライン入門 コマンドの基本操作を身につけよう』

この本は、UNIX系OS、特にLinuxの基本的なコマンドライン操作に関する知識と技術をわかりやすく解説している本です。6日間のスケジュールに分けて、各日に1時間ずつの学習内容が設定されており、それぞれのセクションの終わりには演習問題も用意されているので、勉強の計画が立てやすいです。

本書はUNIXの基礎から始まり、ターミナルエミュレータの使い方、ファイルシステムの探索、基本的なコマンド操作、さらにはviエディタの使い方に至るまで、幅広いトピックをカバーしています。特に、ワイルドカードやパイプなどの高度なコマンド操作が具体的な例を交えて説明されている点が魅力的でした。まだ使いこなせていないけど…

コマンドライン操作に不慣れなユーザーでも実践的な知識を効率的に身につけることができると思います。

また、リンク、ファイルの圧縮と解凍、システム管理、シェルスクリプトなど、より高度なテーマにも触れていることから、初心者から中級者までの幅広いユーザーが利用できる内容となっています。

この本は、LinuxやUNIX系OSの基本を学びたい、効率的なコマンドライン操作を身につけたい、または既存の知識を深めたいと考えている方々にとてもおすすめです。特に、データサイエンスの分野で働く人々にとっては、EC2インスタンスやDockerコンテナを効率的に操作するための基本知識として役立つはずです。

6位:『プログラマー脳~優れたプログラマーになるための認知科学に基づくアプローチ』

書評『プログラマー脳 ~優れたプログラマーになるための認知科学に基づくアプローチ』つよつよエンジニアになるためには?効率の良い勉強の仕方を学ぶ!

この本「プログラマー脳」は、認知科学を基にプログラミングスキル向上のアプローチを探る内容です。特に、プログラミングにおける「コードを読む」「コードを書く」という基本的なスキルを認知科学の観点から解析し、実践的なアドバイスを提供しています。

「認知科学」と聞くとちょっと難しそう…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、翻訳もよくわかりやすく書かれていますし、役に立ちそうなテクニックは明確に書かれていますので、そこだけかいつまんで読んでもよさそうです。

本書は、プログラミングの技術面だけでなく、より効果的な学習方法や問題解決のテクニックにも焦点を当てていて、プログラミング言語の文法の素早い習得や、複雑なコードの理解命名規則の改善など、プログラミングに関するさまざまな側面がカバーされています。

また、具体的な学習ツールや方法、たとえば「フラッシュカード」の利用や「依存関係グラフ」の作成など、実用的なテクニックが紹介されている点も有益でした。さらに、初心者の教育やチーム内でのコミュニケーションについての章も含まれており、プログラミングの技術的な側面だけでなく、人間関係やチームビルディングにおける知見も提供されています。

プログラミングに興味がある方、特に経験を積んでさらなるスキルアップを目指す方にとって、非常に参考になる一冊だと思います。。

5位:『大規模言語モデルは新たな知能か』

書評『大規模言語モデルは新たな知能か』

「大規模言語モデルって最近よく聞くけど、一体何なの?」と疑問に思っている方は、まずこの本を読まれるといいと思います。この岩波科学ライブラリーシリーズは、専門家の人が一般の人に向けてその分野をできるだけわかりやすく説明しようとしているシリーズなので、読みやすいです。

著者は、大規模言語モデル(LLM)を、人間とは異なる種類の知能と捉え、その効果的な活用方法や「飼い慣らし方」を人間が学ぶべきだと主張しています。このアプローチは、極端な恐怖や礼賛を避け、実用的かつバランスの取れた視点だと思います。

本書では、LLMの歴史的背景から始まり、その特性と機能の理解に重点を置いています。特に、Transformerモデルを中心としたLLMの効果的な学習方法や、その驚異的な性能の理由が、数式を使わずに説明されていてわかりやすかったです。また、単語当てタスクやべき乗則、宝くじ仮説、構成属性文法仮説、目的駆動学習など、LLMに関連する重要な概念が解説されていて、勉強になりました。

LLMの社会的応用における課題や可能性にも触れられており、人間中心のAI社会原則に沿った、倫理的で責任ある技術の利用を強調しています。これは、内閣府が発表した「人間中心のAI社会原則」と共鳴するもので、AIを人間の生活の質を向上させるためのツールとして捉えるべきだという考え方を示しています。

AIについての基本的な知識がある読者にとっては、より深い理解を得ることができると思いますが、完全な初心者には少し難しい内容かもしれません。ブルーバックスを読んで面白いと思える方なら、全部理解できなくても楽しめると思います。

4位:『ディープラーニングAIはどのように学習し、推論しているのか』

書評ブログ執筆中!年内には書きたい…

【2024/1/28追記】

書評を書きました。

【書評】『ディープラーニングAIはどのように学習し、推論しているのか』〜これぞ誰でもわかるディープラーニング。はじめの一冊として激推し!

G検定の勉強をしている時に、「CNNにおけるチャンネルってなんだ?まったくわからん…」と思ってこの本を手に取りましたが、大正解でしたね。

(タイトルはあまりよくないと思います…)

ニューラルネットワークや、CNN, RNNについてこれ以上わかりやすく書かれた本は他にはないのではないか?というくらい丁寧でわかりやすい本です。

「AIのことはよくわからないけど、お仕事で必要になってしまった…どこからはじめたらいいか?」という人にはまずこの本を勧めています。

数式はほとんど出てきませんし、出てきても中学~高校レベルです。図がとにかくわかりやすい

ただ、Pythonコードは実装例の紹介としてほんのちょっとしか出てこないので、実装を学びたい人は他の本を当たった方がいいでしょう。

実装はバリバリできるけど、正直どういう意味なのかはあんまりわかっていない…という人にもとてもおすすめです。

3位:『世界一流エンジニアの思考法』

【書評】『世界一流エンジニアの思考法』〜つよつよエンジニアに近づきたい人はみんな読むべき!

著者の牛尾さんは、マイクロソフトでエンジニアをされている方です。

エンジニアとしての能力向上に必要な工夫一流エンジニアのマインドセットについて詳細に記述されており、「ちょっとでもいいからすごいエンジニアに近づきたい」と願う人にとっては必ず得るものがあると思います。

牛尾さんの経験から得られた様々な工夫は、実務にすぐに応用できそうです。特にスキルのレベルを「人に説明できて何も見ずに取り出せるレベル」まで高める、ということはかなり刺さりました。日常のコーディング作業で時間がかかっていたり、手戻りが多かったりするのは、スキルのレベルが低いからなんだな…と反省するきっかけになりました。

この本に刺激を受けて、「毎日一問LeetCodeチャレンジ」を始めました。効果出てくるといいな〜

Be Lazy」というマインドセットについても言及されており、効率的に楽に仕事をするためには「引き算の仕事術」が重要であると指摘されています。ついつい、あれもこれも…となりがちなわたしにとっては耳が痛かったです。

マイクロソフト社での牛尾さんの経験やアプローチ、一流エンジニアのマインドセット、アメリカで見つけた新しい考え方、情報整理・記憶術、効果的なコミュニケーション、生産性を高めるチームビルディング、生活習慣術、そしてAI時代を生き残るための戦略など、多岐にわたるトピックが取り上げられています。

これらの内容は、現代のエンジニアやプロフェッショナルにとって、仕事や人生の質を向上させるための貴重なガイドとなるはずです。

2位:『生成AI時代の「超」仕事術大全』

【書評】『生成AI時代の「超」仕事術大全』〜スーパーコンサルの本気!全人類必読!

アクセンチュアのコンサルが著したこの本は、生成AIの課題と未来の展望に関して書かれていて、エンジニアだけでなく、時代の流れに取り残されたくない全ての人にとって有益な内容です。

本書はPART1「仕事術編」とPART2「仕事の未来編」の二部構成になっており、前半部分では生成AIの基本的な説明、活用事例、そして利用に伴うリスクについて詳しく書かれています。あまり生成AIについて詳しくない人でも、この章を読めば概要が掴めると思います。

特に、プロンプトエンジニアリングのテクニックに関する説明は、生成AIに触れたことがない人や、その活用に関して不安を感じている人にとって有益だと感じました。

後半部分「仕事の未来編」では、生成AIの出現により業界や働き方がどのように変わるかについて、分析的にまとめられています。特に「生成AIがもたらす4つの革命」に関する章は、本書の核となる部分で、ここでは、ハイパーオートメーション、ハイパーパーソナライゼーション、ハイパーコミュニケーション、ハイパーデジタルヒューマンという4つの革命が詳細に説明されており、これらがもたらす社会や業界への影響が考察されています。

生成AIの進化によるリスクや人間とAIの関係についても、深く考察されています。著者は、生成AIの進歩が急速であり、人間が対応するのが難しいスピードであることを指摘しており、規制や倫理的な枠組みの必要性を感じています。

図表の完成度も高くて、さすがスーパーコンサル!という感じです。2000円以下で購入できるので、生成AIの現状と未来について学びたいと考える人はぜひ読んでみてください。

1位:『データ×人材キャリア大全 職種・業種別に見る必要なスキルとキャリア設計』

【書評】『データ×AI人材キャリア大全 職種・業種別に見る必要なスキルとキャリア設計』〜できるデータサイエンティストになるために必要なことがすべて書いてあった!

役に立った度」でいうとこの本がやっぱりNo1でした!

データサイエンティストって、必要とされる知識も幅広いし、進むべき方向性も複数あるし、キャリアどうしようかな…というときにこの本を読みました。

この本はデータサイエンスとAI分野におけるキャリア構築に焦点を当てた、非常に実践的で包括的なガイドです。データサイエンスとAIビジネスに関わる全ての人に役立つと思いました。

筆者は、データ分析のコンサルティングと教育事業を行う企業のCAOであり、データ分析人材コミュニティとデータサイエンス教育プログラムも運営しています。

本書は、機械学習システム構築、データ分析、データ可視化・BI構築など、様々なプロジェクトタイプについてプロジェクトの具体的な進め方必要な人材とスキルアウトプットを整理しています。特に、データサイエンスとAI分野のキャリアに関する章は、未来を見据えた実践的なアドバイスが豊富に含まれており、読者が自己成長の道筋を見つけるのに役立つと思いました。

本書は、実践的な学習時間の目安スキルの獲得方法、10年後を見据えたキャリア設計に関する具体的なアドバイスが示されていて、転職やキャリアアップを考えている人、またはこの分野に興味がある人にとって非常に価値のある内容だと思いました。情報量が多かったので、繰り返し読み返したいです。

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